内部に梵鐘を納めた建物です。
間斗束(けんとづか)の裏に記された墨書きによると、建立は永亨5年(1433年)で、不動院の建物の中でも最も古いものです。また、入母屋(いりもや)壁板の内側には「天正十六年(1588年)……」と書かれており、この時、修理が行われ、屋根の骨組みなどはほとんど取り替えられたようです。これには、おそらく当時、寺の再建に力を注いでいた恵瓊が深くかかわっていたことでしょう。細部の造りを見ると、和様の三手先(みてさき)の組物を用いる一方で、すみ木に禅宗様の手法をとり入れるなど、和様、禅宗様を組み合わせた珍しい意匠が見られます。全体としても、各部の均整がうまくとれた、美しい建物です。
指定年月日:昭和27年(1952年)7月19日
概要:桁行三間、梁間二間、白壁塗りの袴腰付、入母屋造、こけら葺