東区中山から安佐北区小田にかけて、南北に細長く横たわる通称東山の中腹に、松笠観音があります。
アカマツ林の中を抜ける細い登山道から境内に入ると、そこは巨樹に取り囲まれ、ひっそりと落ち着いた雰囲気を漂わせています。本堂の東側にある大きなスギは、胸高幹が4m近くもあり、これに肩を並べるようにして他のスギやヒノキ、モッコク、アベマキなどの巨樹が、ずらりと立ち並んでいる様子は壮観です。
樹齢数百年とされる巨樹が、ひとつの寺の境内に生育している例は他にはなく、大変貴重な存在とされていましたが、平成3年(1991年)9月の台風19号により被害を受けました。特に地元の人々から「観音杉」の名で親しまれてきた目通り幹囲4.85mの大スギが倒れたのが大変惜しまれます。
所在地:安佐北区口田南町岩坪2211 松笠観音境内
指定年月日:昭和59年(1984年)3月19日
概要:主要樹木の目通り幹囲 スギ・3.45m 2.90m 2.15m ヒノキ・2.65m アベマキ・3.10m モッコク1.90m(地上1m高の幹囲)