1889年(明治22年)、市制町村制により全国初の市の一つとして誕生した広島市。1928年(昭和3年)には、市政の増大と老朽化のため中島新町より現在の場所に移転。ヨーロッパ近代建築様式を取り入れた、地下1階、地上4階建ての庁舎が完成しました。クリーム色の外観には控えめながらも装飾が施され、4階の迫り出した部分を支える10本の柱が露出した、掘りの深い建物でした。爆心地から1.02キロメートルで被爆。周辺の猛火により延焼を免れることはできませんでした。新庁舎建設にあたり、被災の痕跡のある正面玄関の石段や敷石は、メモリアルスペースとして、また、原爆被災時に配給課倉庫として使われていた地下室は、旧庁舎を中心とした被爆の実相を後世に伝える、被災の記録に関する資料等の展示室として改修・保存しています。
概要
(1) 開館年月日 昭和61年8月1日
(2) 面積 156.12平方メートル(展示室112.37平方メートル、機械室43.75平方メートル)
(3) 展示資料 99点
ア 展示物品 爆風で割れた火鉢、被爆した外壁・タイル・石材、旧庁舎模型等
イ 展示パネル 被爆した旧庁舎、被爆者の援護、広島の復興、広島の発展等
ウ ビデオ 市庁舎の歩み、被爆した市職員の証言