三瀧寺の境内をめぐる参道沿いには、小さな石仏がたくさん立ち並び、思い思いの表情を見せています。その参道を登り、最後の石段を登りきると本堂があり、阿弥陀如来像はその中に安置されています。
本堂内には、観音菩薩像(かんのんぼさつぞう)など他にもたくさんの仏像が置かれていますが、その中でこの像は随分小振りなもので、像の高さが29cm、台座を含めても50cm程度です。もともとは寄木造り(よせぎづくり)の像の上に漆を塗り金箔を置いていたようですが、今はそれもほとんどはげ落ちています。衲衣(のうえ)は通肩(つうけん)にかけ(両肩にかける)蓮華座(れんげざ)の上に座して、定印(じょういん)を結んでいますが、これは阿弥陀如来像では一般的な姿です。光背(こうはい)や台座も、繊細な彫刻でていねいに仕上げられており、小さいながらも優れた像です。
指定年月日:昭和49年(1974年)2月18日
概要:寄木造、漆箔、像高29cm、膝張22.5cm、台座高26cm、光背径20cm