青古墳群(あおこふんぐん)(市指定史跡)

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青古墳群(あおこふんぐん)(市指定史跡)

福王寺の南麓に広がるなだらかな斜面には、かつて可部古墳群と総称される約百基の古墳があったと言われます。耕作や宅地開発などによってその多くは失われていますが、横穴式石室を持つ小古墳が中心だったようです。
青古墳群は、その可部古墳群の一部で、住宅地の中に15基の古墳が残っていましたが、現存しているのは4基です。その中の1基には、玄室(げんしつ)の床に石を敷き、墳丘(ふんきゅう)の裾にも石を積み上げているなどの特徴が見られます。
また、須恵器(すえき)や土師器(はじき)の食器類、鉄製の武具、金環(きんかん)などの装身具といったものが出土していますが、これらは古墳時代後半期(6~7世紀)の特徴を持っており、古墳群がその頃築かれたことを示しています。前半期の古墳がほとんど見られないこの地域に、後半期に入って多くの古墳が造られるようになったのは、鉄製農具の普及により、水田が大規模に開発され、新しい耕地を求めて、それまで人々が住んでいなかったところにも住むようになったためと言われています。また、これだけの古墳が1カ所に集中しているのは、おそらく当時は、有力者だけでなく、その下の階層の人たちも横穴式石室に葬られるようになったからだろうと推測されています。

所在地:広島市安佐北区亀山五丁目35
指定年月日:昭和48年(1973年)5月30日