友広神社(ともひろじんじゃ)の社叢のなかでもひときわ群を抜いて高いのがイチョウ(雄)の木です。
イチョウは、春には新緑が芽吹き、夏には美しい緑が木陰を落とし、秋には黄色い種子(ギンナン)を結び、冬には落葉した枝から木漏れ日が日溜まりをつくるというように、四季それぞれの変化をよく映し出します。むかしから神社や寺院、街路樹によく植えられてきたのも、人々によく親しまれてきたからなのでしょう。
友広神社のイチョウは、太田川(西側)と根之谷川(東側)に囲まれ、南で三篠川を合めた3本の川が合流することから中島と言われるところにあり、昔から洪水の災害に数多く見舞われてきました。
そのような厳しい自然条件のなかで、長年の風雪にも耐えて生き抜いてきた老木の姿は、我々に底知れない生命力の偉大さを教えてくれます。
所在地:広島市安佐北区可部南一丁目14-18 友広神社境内
指定年月日:平成7年(1995年)4月18日
概要:雄株 樹高約25m、胸高幹囲415cm、枝張:東8.2m 西6.1m 南6.1m 北9.7m